意味 |
舗装材料の敷きならし、あるいは転圧作業によって旧地盤を被覆する層を造成すること。狭義でいう舗装は、交通荷重を支持し路面の平たん性を維持するために設けられる路床上の構造物とされる。造園の分野では、園地造成のあとに一次造成面の被覆工事が主体となる園路広場工の中にこれを包含する。舗装工の原初のモデルは、土間のたたきの例にみるように、天然の土をそのまま足で踏みならして締め固める、すなわちpaveの原義であるbeat downそのものであった。後には石灰・苦汁(にがり)をもって安定処理したり,粗石・砂利・砂を利用したり、それらをアスファルト、セメントで結合したり、あるいは舗石の類を敷き並べたりし、いわば材料と工法の2側面から交通量の増大と車両の変化に対し合目的的 な開発が図られてきたといえる。現在の車道舗装に用いられるコンクリート舗装、アスファルト舗装、簡易舗装は、したがって大型車の日交通量と、CBR試験による路床土の支持力比をもとに、それぞれの要綱で構造規準が定められ施工がなされる。しかし造園工事における舗装は、道路に対するそればかりでなく、園地の利用形態に対応して多くの段階を有し、かつ歩道・自転車道の園路や広場・苑地等の各舗装、運動場の舗装などその対象地が人による利用を主とするため、構造的に重荷重の設計条件の無い簡易舗装か、それ以下の軽舗装に系統されるものが多い。これらの舗装は、自転車道を除いてまだ基準化されてなく、従前より使われてきた経験則による構造となる。利用者密度が少なくて踏圧に耐えるならば、芝生などの植物をも舗装材の範ちゅうに入れようとするのが、造園舗装の広義の概念である。舗装の構造は、載荷重に対する抵抗方法により、たわみ性舗装(flexiblep avement)と、 剛性舗装(rigid p.)とに分ける。これらの断面構造をみると、上位から表層・基層・路盤・路床・地盤の順となり、このうち舗装部分は、表層から路盤までの層である。表層は交通荷重を直接に支えると同時に、シールコートによって雨水の内部への浸入を防ぐ役割をもつ。たわみ舗装は、せん断力および曲げモーメントに対する表層の抵抗力が比較的小さく、このため表層自体が基層や路盤の変形に追随できる構造のものである。セメントコンクリート舗装の場合は、表層のコンクリート版が剛体に近いため路盤の変形に追随できず、この構造のものが剛性舗装である。基層は表層のたわみを受けとめる直接の基礎で、アスコンを舗設したブラックベース、またはコンクリートを舗設したホワイトベースを指す。剛性舗装における基層は不要な層となり、この部分に設けた別目的の密粒度アスコンはアスファルト中間層と呼ぶ。路盤は交通荷重を分布させるための層で、粒状材料を締め固めて作る。路床は路盤の下方約1mの深さまでの部分で、舗装設計の際には土質調査を行って設計CBRを得る地層である。なお、路床土が軟弱で設計CBR2.5以下の場合は、路床の一部として厚さ15cm以上の遮断層がシルト分の少ない砂・切込砂利をもって路床上部に設けられるか、もしくは路床土の改良や客入土が実施される。 |