造園用語集

フェスキュー類


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フェスキュー類

項目 フェスキュー類 / フェスキューるい
英語 fescue,fescuegrass
意味 ウシノケグサ属の植物で、1年生と永年生のものとがあり、わが国にも数種の種が自生し、温・寒帯にわたり約100種を数える。わが国に植栽されているものは、いずれも明治以降に導入されたもので、芝生用あるいはのり面土壌保護用として利用され、常緑,半常緑・冬型芝で多年草。叢生(株型)するもの、匍匐茎を出すもの、また狭葉型と広葉型とあり、狭葉型は主として芝生用に、広葉型は主としてのり面緑化草として利用される。造園上利用されているものは次の4種である。(1)Red fescu(Festucarubra L.):オウシノケグサと呼ばれるもので、わが国にも自生・匍匐型と非匍匐型(株型)とがあり、前者には(Creepingred fescue(F.rubra L var. genuina Hack.) )があり、Pennlawn. Illahee,Olds等のほか多くの品種が知られいる。公園・運動競技場の芝生、ゴルフ場のラフ、フェアウェーあるいは混播用として、また地表面保護用(のり面緑化草)として用いられる。後者は、Chewing fescue(F. rubra L. var. commutata Gaud.)が知られ、Chewing red fescue、あるいは,ew Zealand redfescueともいわれ、針状の葉を有し一層細く、かつ矮性。性質強健で、踏圧・刈込みにも抵抗性があり密な刈取りにも耐える。耐旱性、耐陰性もかなり強く、不良環境に耐え、痩地にも生育する。公園、校庭芝生、ゴルフ場のラフ、あるいは混播用として用いられる。Highlightほか多くの品種が知られてる。(2)Sheep's fescue(Festuca ovina L.):ウシノケグサと呼ばれ、わが国にも自生する。牧草として明治年間導入試作されたもので、砂地・礫地・痩地にも生育し、耐寒・耐旱性に優れ、ゴルフ場のラフ等には用いられる。この変種にフェスキュー中最も小型で、葉は細く針状(絹糸状)で、痩地にもよく生育し、ビロード状の芝生をつくるFine-leaved sheep's fescue(F. ovina L. var. capillata Alef.)は、ベントグラスやブルーグラスと混合して用いられる。なお、ウシノケグサよりやや小型で、コオライウシノケグサの和名のある、Hard fescue(F. ovina var. duriuscula(kach) Griseb.)は、特に耐旱性に優れ、乾燥のはげしい土地、痩地などに用いられる。以上の種類は狭葉型と呼ばれるもので、次の2種は広葉型に属する。(3)Meadow fescue(Festuca elatior L.):ヒロハウシノケグサと呼ばれ、わが国にも自生。欧州では重要な牧草の一つで、深根性の永年草。性質は強健で、耐寒暑性、耐乾湿性いずれも強く、痩地・湿地・陰地にもよく生育する。次のトールフェスキューと同様な利用がなされる。(4)Tall fescue (Festuca arundinacea Schreber):明治年間わが国に導入されたものであるが、本州北部では野性化している。オニウシノケグサと呼ばれ、メドウフェスキューに似ているがより永年性。葉身はメドウフェスキューより大で硬く中肋は突起する。匍匐茎はない。性質は強健で、耐寒性・耐湿性に優れ、日陰に耐え、土地を選ばず暖地でもよく生育し、北海道から九州まで至る所で利用される。路傍・飛行場・運動場・公園等のほか特にのり面緑化草として地表面保護用として使われる。品種にAltafescue、Kentucky 31 fescue等があり、後者はのり面緑化草の代表的な草種とされている。強い芝生を造る一例として、トールフェスキュー50%、ケンタッキーブルーグラス25%、レッドトップ25%。あるいはこれにべントグラスを加え50%、20%、20%、10 %の割合として10a当り 22.4?33.6kg。急速に良好な芝生を造るためには、同じく 89.6?112.0kgを混播するとよいといわれている。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ