意味 |
イギリス風景式造園における重要な概念の一つで、絵画のように美しい構成。レプトンやマーシャルの自然主義のブラウン派(Brownist)と、チェンバース、ギルピン、プライスらのロマン主義絵画派(Picturesque School)が自然を庭園に模倣する場合の態度で論争したのが、18世紀半ばから後半にかけてのピクチュアレスク論争である。プライスは「美的(beautiful)と絵画的(picturesque)とは異なるのにブラウン派はこれを混同している」と非難し、「構成・配置・色彩調和・形態統一・明暗効果などで、造園も絵画と一致する」と主張。レプトンはこれに対し、「視野、視角、前景の有無など、絵画と造園はちがう」、「庭園は自然美を発揮すると共に自然の欠陥を隠蔽するものであり、どんなに高価なものでも、風景改良や自然作品に無用のもの或いは、全風景の一部に融和しないものは隠蔽すべし」と反論。また住居まわりで、プライスは絵画的美の優先を言い、レプトンは絵画的効果よりは便利であることが好ましいと主張した。要するに、建築物や彫像や装飾物を園内にたくさんとり入れるのが絵画的に豊かな庭園をつくることになり、教養と趣味のあらわれとするか、それはいたずらに虚飾で自然の理想を傷つけるものとするかの違いで、絵のように美しい庭園世界をどのような方法で現出するかの路線の相違であった。→イギリスふうけいしきていえん |