意味 |
明治以降日本に入って来た欧米の芝生材料に対比させて呼ばれたもので、日本で古来より芝生の植栽材料として用いられた植物群の呼称。その主体をなすものは、わが国に分布、あるいは古くから庭園その他に植栽されてきたシバ(Zoysia)属植物をいう。夏型の匍匐茎によって旺盛に繁殖する種類である。本類に属するものとして、その主なるものにノシバ(Zoysia japonica)、コウライシバ類 (Zoysia matrella)、ビロードシバ(Zoysia tenuifolia)、コオニシバ(Zoysia sinica)、オニシバ(Zoysia macrostachya)等がある。このうち造園上通常使用されているものは、ノシバ・コウライシバ類・ビロード芝の3種類で、庭園・公園・運動競技場・野球場・各種球技場・ゴルフ場・遊園地・馬場・飛行場・河川敷等、種類を選択してその利用が広い。日本芝の特性として、日照不足・過湿には弱いが、乾燥・刈込み・踏圧に強く、砂土ないし砂壌土を好む。また耐塩性も強く、亜硫酸ガスやオゾンに対する抵抗性も、西洋芝に比べてはるかに強い性質をもっている。温度に対しては元来が暖地芝で夏型の芝であるため、いずれも高温には耐えるが、ノシバ以外は、寒地や高冷地には耐えられなくなる。シバ属は東亜暖地およびアフリカ、オーストラリアにも分布する。日本芝がアメリカに渡り、アメリカの農林省試験場やアメリカゴルフ連盟グリーンセクションなどの手によって改良されたものに、ノシバから選抜されたメイヤーゾイシア(Meyer Zoysia)、また、メイヤーゾイシアから選抜されたサンバースト(Sunblirst)などの品種があり、ノシバ(Zoysia japonica)とビロードシバ(Zoysia tenuifolia)を交配してできた一代雑種の中から育成されたものに、エメラルドゾイシア(Emerald Zoysia)などが知られている。 |