意味 |
既知の測点をもとに未知の測点に対し、その間の距離ならびに方向を測定した線分をトラバース線と称し、この測量方式を順次に行って各測点の位置を定める測量。測量原理は平板測量の道線法と同様だが、一般に方向はトランシットまたはセオドライトを用いた秒単位、距離はスチールテープを用いたmm単位まで精密に測定する。したがって平板測量で行われる簡易なそれは、図解トラバースと別称して区別する。線分をー巡させて出発点に帰結したものが閉合トラバースで、測角誤差の点検・調整が容易でよく利用されるものの、測距誤差を発見できない欠点をもつ。測距誤差を点検・調整するためには、位置座標の決まっている既知点から他のそれへとトラバースを組む必要があり、これを結合トラバースという。トラバース線の方向測定法として、(1)コンパスの磁針の示す方向を常に準拠線にして概略の方位を測る場合、(2)前のトラバース線を準拠線にした内・外角か、またはその延長線を準拠線に した偏角かを、トランシットで精確に測る場合がある。精度上から(1)は山林で行われるコンパス測量、(2)は市街地で多用されるトラバース測量がある。三角関数を利用して、測角データと測距データを乗じたトラバース計算を行い、各測点の位置を直角座標値として算出するので、両者の測定精度は均衡していることが当測量の要件である。 |