意味 |
土壌溶液中に溶けている水素イオンの濃度を表す単位。土壌が酸性かアルカリ性かを示す尺度でpH7が中性、7未満は酸性、7を超える場合はアルカリ性である。土壌pHは土壌の母材の種類や降水量の多少により地域によって異なる。わが国では年間降雨量が多く、土壌中の塩基成分が溶脱しやすく、大半の土壌が中性ないしは弱酸性の状態を示す。一部地域にお いては強酸性土壌の箇所もある。また、街路樹の植え桝(ます)、都市公園の土壌などでは、道路の舗装、建築材料のコンクリートから雨水 その他により石灰・ソーダが溶出しているため、アルカリ化している所もある。一般に植物の生育に好適なpHの範囲は微アルカリ性から微酸性の状態にあり、酸性が強くなり過ぎると根の働きが鈍り、養分吸収機能が低下する。酸性土壌の改良にあたっては必要に応じて適量の石灰を施す。土壌pHの測定にあたっては、土壌と水の比率は2:5と決められており、土の重量、通常10?20gに対して、その2.5倍の量の純水または1規定の塩化カリウム液を加え、攪拌して懸濁液をつくり、pHメータ一等によって測定する。pH(KCI)は通常の土壌ではpH(H2O)の測定値より1.0前後低いのが一般的である。この差が0.5以下である場合は、土壌の塩類濃度が高くなっていると判断してよい。植物への影響の面からpHを測定する場合はpH(H2O)のみを測定すればよい。 |