意味 |
道路ないし交通機能に対応した植栽や、道路とこれが通過する地域とのかかわりから生ずる機能植栽等から体系化されているもので、高速道路の造園計画用語として発祥したもの。わが国の高速道路建設は、1963(昭和38)年完成の名神高速以来、東名、中央道とつづき、現在では全国土に及びつつあるが、それら一連の高速道路建設では、安全な交通機能や快適な道路景観に着目し、さらには道路の供用が沿道の環境に及ぼすインパクトを軽減するための環境保全を目的とした造園計画、とりわけ植栽がいろいろな場面でなされた。これら一連の高速道路造園で、植栽計画、植栽設計方針の項目として登場したのが、この道路機能植栽という概念である。快適で安全な道路走行を補佐する視線誘導植栽や対向車の前照灯による眩惑防止を目的とした遮光植栽、道路敷への立入防止植栽や車の横転事故等の場合の人身保護をねらいとした緩衝(クッション)植栽、サービスエリアやパーキングエリア等休息場所での緑陰植栽があり、特に道路景視に関係するものとしては、調和植栽、強調植栽、眺望植栽、指標(ランドマーク)植栽、遮へい植栽などがある。それに対し、道路が立地する地域に対しての環境調整植栽として、沿道保護植栽、植生保護植栽、騒音緩和植栽とあり、逆に地域から道路が受ける影響を緩和する植栽として、防風・防雪等の機能植栽がある。その計画・設計にあたっては、ただ単一機能植栽として検討するのではなく、できるだけ複合機能植栽となって道路植栽の意義がより高まるようにすべきである。→きのうしょくさい →どうろぞうえん |