意味 |
空隙率1割前後の舗装体を通して雨水を路床へ導水、あるいは舗装体に一時貯留して、浸透および蒸発散により排水する機能をもつ舗装。現在のところ適用範囲は、歩道を主体に軽交通の車道、駐車場、全天候型テニスコートのベース等である。当初は東京都で昭和48年頃から、街路樹の保護育成・ 雨天時の歩行性の向上を目的として研究に着手した。以来、建設省都市河川課、住宅・都市整備公団を中心に実験研究、施工経験を重ね、昭和58年度には道路工事設計基準および材料仕様書(東京都建設局)に、これの仕様が記載されるに至った。平均して降水量の85%が浸透するとの調査結果が報文されており、路床土の透水能とも関係があるものの、雨水の流出抑制に対して大きく寄与していることが伺える。このため都市化に伴う一時的流出量の増大を大幅に緩和し、都市河川の氾濫防止、公共水域の汚濁軽減の効果をもたらす。一方雨水の浸透や空気の流通による地下水の涵(かん)養・舗装下土壌の活性化など、地中生態系の改善効果も期待される。舗装体の構成は、透水性のある表層と路盤からなり、路床との間にはフィルタ一層(砂)を設ける。これら主要材料は、通常の舗装同様クラッシャーランと瀝青材である。表層には開粒度のアスコン(透水能1O-2cm/sec)を用いるが、アスファルトに含まれる有害成分の土壌生物・地下水等への汚染については未確認である。また近年、天然砂利とエポキシ系樹脂接着剤の混合物を、表層に舗設する園路舗装も試みられており、いずれも詳細な構造設計は「アスファルト舗装要綱(昭53)」の特殊舗装に準拠する。ポーラスな舗装面であるため、供用により微細な土砂等が沈滞し次第に目詰りが発生するが、高圧水を噴射して固形物を剥離・除去する洗浄機が開発され、この難点も克服されつつある。 |