造園用語集

蹲踞


造園用語集

つ

蹲踞

項目 蹲踞 / つくばい
英語 -
意味 茶会のとき、茶室に入る前に手水を使うため手水鉢(ちょうずばち)を中心に一組の役石で構成されたもの。手水鉢は地上に低く 据えられているため、うずくまる、しゃがむ、つくばうように水を使うところからこの名がある。蹲踞の起源はいつのころか確証はないが、茶会が盛んに行われたころ考案されたものらしい。早くも南北朝には西芳寺の磁淵水や室町期には鹿苑寺の銀河泉、慈照寺の山麓にある井泉など茶を点(た)てるお茶の水を得るための泉があり、これが室町末期から桃山時代にかけて次第に独立した形態をもつに至ったらしい。もともと茶事は禅宗の清規から次第に草庵・ 書院茶に普及したものであり、水で口をすすぎ手を洗うのは社寺参詣と同様、清浄なる心をもって人と接するためである。「南方録」にも「手水の事専ら心頭をすすぐを以て此道の肝要とす」とあり、茶事を行うための重要な所作であり茶庭で実用に供する必置の施設であるばかりか、前述した泉周辺の石組に模して庭の点景にもなるから、茶人たちによって様々なものが考案されている。すなわち、手水鉢の周囲を鉢囲いした「中鉢蹲踞」、手水鉢と直接向かい合った「向鉢蹲踞」、水辺に置かれた「水(池)岸蹲踞」、路面から降りて使う「おり蹲踞」、沢飛びや沢渡りの途中に手水鉢を据えた「沢飛ぴ蹲踞」、流れの中に手水鉢を据えた「流れ蹲踞」、崖の下の泉を利用した形の「崖下蹲踞」などがそれである。蹲踞の構成はまず正面に「手水鉢」、手水鉢前に「前石」を置く。鉢と前石の間隔は、柄杓を使い水を汲みやすいよう前石上でうずくまる所から手水鉢の水汲み位置までの間隔を75cm内外、水鉢高は75cm以下、前石前端から水鉢上端まで30?48cm、実際には柄杓の置き加減で決めるとよい。前石の向かって右側に冬の冷たい手水鉢の水に代えて湯桶を置くための「湯桶石」、左側に夜会のとき手燭を置くための「手燭台」を置く。これらは流派によって左右逆の場合もあるから注意したい。高さは両者とも同じ高さにならないよう、湯桶石を手燭石よりやや高めに据えるのが普通である。鉢の前はやや底の深い凹地とし余水はこの「水門(海)」に捨てる。中央に幾つかの五郎太(ごろた)石が排水口の上部をかくし、泥などの流入を防ぎ、手水の余水をこの上に落として水のはね返りを防ぐ。水門の下に瓶や甕などを埋設し,落下水の余韻こもる音を賞でる「洞水門」もある。水門(海)の周囲はモルタルや玉石などで「鉢囲い」し、蹲踞の近くに石灯籠などの「鉢明り」や草木を添えるのが普通である。以上述べた役石のうち前石は必須のものであるが、他の役石は省略することもある。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ