意味 |
竹を材料として仕切り・目隠し・装飾・保安の目的で作られた庭垣。その意匠は多種多様でその代表的な名称を挙げると次の通り。竹組み:柵状のものに四つ目垣・金閣寺垣・龍安寺(りょうあんじ)垣・光悦寺(こうえつじ)垣等。塀状のものに建仁寺垣・銀閣寺垣・木賊(とくさ)垣・鉄砲垣等。枝穂組み:柴垣(しば)垣・鶯(うぐいす)垣・竹穂垣・蓑(みの)垣・茶筅(ちゃせん)垣・立会(たちあい)垣・桂(かつら)垣・篠(しの)垣・間瀬垣等。編組み:編垣・沼津垣(網代(あじろ)垣)・ 矢来垣(大津垣)等。すだれ組み:御簾(みす)垣・宗左垣・幕垣等。その他:檜皮(ひわだ)垣・屏風(衝立垣・折立垣)等がある。竹垣の基本構造は親柱(留柱・山柱)の間に間柱を立て、その間を胴縁で渡し、さらに立子(たてこ)を立て、必要に応じてそれを挟み固定するため胴縁と同じ位置に押縁で押さえ、胴縁・立子・押縁を重ねていぽ結びで結束する。また意匠によっては垣の上端をがんぶり(玉縁)で固定し飾り結びを施す。胴縁は柱へ交互に切付け留め(竹節の所で斜め切りし釘留めする)し、垂直に立てた丸竹の上端は節止め(切口から雨水が入り腐朽しないよう節の上部で切断する)される。竹垣は万葉集の昔から手近な材料ゆえによく用いられてきたが、近世に入ると庭趣を引き立てるため種々の形式が考案された。例えば、柱と柱の間に唐竹を胴縁として二三段取り付け、それを中心に表裏交互に丸竹の立子を立て並べた「四ツ目垣」。縦横等間隔に丸竹を組み、上部に玉縁(かぶせ竹)を付けた四ツ目垣の変形「金閣寺垣」。低い手摺状の玉縁下に2枚の割竹表裏合わせた立子を斜めに組んだ「龍安寺垣」。胴縁に竹の四ツ割りを立子として立て並べ押縁と玉縁を付けた「建仁寺垣」。低い建仁寺風で玉縁下に押縁2本で構成された「銀閣寺垣」。太竹を前に立て並べた「鉄砲垣」。細枝をそのまま立子とした「柴垣」。クロモジを材料とした「鶯垣」(黒文字垣)。力竹に黒穂または萩で包み立て並べ、上部を茶筅状に開かせた「茶筅垣」。柱に横木を通し、その上に竹を網代状に緩んだ「網代垣」。細小の竹を立子とし押縁とで留めた「篠垣」(ぼさ垣)。丸太または竹を斜めに目粗く立て結束し先端をとがらせた「矢来垣」。割竹を半円状に曲げ竹の両端に挿した「波垣」は鱗状に見えるので「魚子(ななこ)垣」 ともいう。 |