造園用語集

測量


造園用語集

そ

測量

項目 測量 / そくりょう
英語 survey
意味 器械を用いて長さ・高さ・方向を測ること。その結果から地表上の諸点間の相対的位置を定め、土地の形状・広さ・起伏を知り、これらを図または数値で表したり、あるいは数値で表された諸点を現地に設置するなど、一連の技術の総称である。しかし造園の立場から測量を把握するとき、それはただ「測ること」に関する技術や算術としてではなく、その根底には「測ること」の目的として、土地に関する利用計画が存在することを当然ながら認識しておく必要がある。また造園測量図には、樹木・飛石・庭石等の形状も測定して図示する例が多いがこれら個々の作業は「測物」の概念であって、測量のジャンルからは離れる。(1)測量の本質:セオドライト・トランシット・レベル・光波距離計に代表される測量器械を使用して行う測量の作業は、何か基準があってそこから相対的に行われる作業である。基準となるべき方向なり点をもたない測量はあり得ないわけで、このことは造園設計の図面に測設のための基準が、必ず表示されなければならないことを意味する。一般に、測量の起源を古代エジプトのナイル河の氾濫に求めるのが定説である。大洪水は地上の目標物をすべて流失し、そのため境界の確定をめぐって社会紛争を起こしたと思われる。この毎年繰り返した洪水の歴史の中から、例えば高地にあって視準可能な不動の目標物を基準にすることで、彼らはいつしか測量の本質を習得してきたに相違ない。測量で最も重要な課題が基準点の見いだしであり、設定であるとされるゆえんである。(2)測量の体系:造園技術者としてかかわる測量には、計画段階で要求される地形を計測する目的の本義の測量と、施工段階で要求される計画基準点を設置する目的の工事測量とがある。前者をさらにその規模によって、地表面を測地学的に曲面と考える大地測量と、小地測量もしくは平地測量とに分ける。平地測量は、地物が水平面に投影される位置を測定する物測量もしくは平面測量と、それの標高を測定する水準測量とに作業内容が分かれ、地形測量とは土地の起伏を知るため両者を併せ行う測量である。このうち平面測量は、測点のみに対し作業が行われる基準点測量または骨組測量と、測点を基標として最終的にその周辺部の地物に対し作業が行われる細部測量とに作業工程を分け、測量区域全体の精度の確保を図ることが常道である。だが従来の測量方式では、未踏の山地など測量に立ち入れない部分はどうしても精度が悪くなり、測量精度が一様にならない欠点がある。これに対し上空から測量用カメラで撮影した画像は情報密度がー率であり、最近ではこれの解析による写真測量の分野の進歩がめざましい。また、測量器械も光を利用した光波測距儀が距離計として普及したため、距離測量が極めて高精度で行えると共に、セオドライト等の測角器械と組み合わせたシステム化が行われ、今日の測量の作業能率と精度が格段に向上した。(3)「測量法」:測量の公共性の観点から、測量精度の向上と測量の重複排除を主目的に、1949(昭和24)年法律第188号にて制定。同法で規定する測量は、「土地の測量をいい、地図の調整及び測量用写真の撮影を含む」とされる。法の運用上から(a)国土地理院が実施する基本測量、(b)費用を国または公共団体が負担して実施する公共測量、(c)民間の費用で実施する(a)・(b)以外の測量の3種に分け、これら測i誌の実施の基準および実施に必要な権能、測量業を営む者の登録の実施および業務の規制等を定めている。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ