意味 |
各種の造園空間の創出を目指して、設計者の意図を図面等の表現手段を用いて目に見えるように具体的に示す行為、または、その結果具現された作品。造園デザインには、造園的発想とそれにつづく企画、すなわち造園計画が必要条件。これによって定められたデザイン目標にそって具体的な形にすること、すなわち形化の行為と具体的な形になったものを造園デザインという。このことから造園デザインという言葉には、作用的概念と 対象的概念があるとされる。機能、次元、対象の三つを基準とするデザイン分類によって、造園デザインを位置づけすると、機能上すなわちデザイン目的上は環境デザイン(environmental design)で、伝達デザイン(communication design)、生産デザイン(product design)と並ぶ、次元的には空間デザインで、二次元の平面デザインや三次元の立体デザインに対する。さらに、デザインの対象という点では人間と自然の接合部分に関するデザインに属する。これは、例えばコミュニケーションデザインが人間と人間の接合部分に関するデザインであるのに対し、人間と自然の調和共存の有り様を対象とする。造園デザインの立脚点は、人間のためのデザイン(design for people)と土地のデザイン(design on the land)に集約される。前者では、使い勝手の良い機能的デザインであり、その結果が美しく快い視覚環境を醸し出すことを要件とする。したがって、mechanical designと appearance designの融合が造園デザインではとりわけ重視される。後者の土地のデザインは、自然に従ったデザイン(design with nature)と創造的保全(creative conservation)を基本要件とする。造園デザインは認識・分析・総合・判断の順序で構成されるデザインプロセスにそって進められる。それぞれの段階で認識すなわち調査の技術、分析の技術、総合化の技術、判断つまり評価の技術が用いられる。SD調査やメッシュアナリシス、オーバーレイ手法、モデル評価法等はこれらの技術の一部で、総称してデザイン技術と呼ぶ。造園デザインの技法は、空間構成技法と景観構成技法との二つの要素から成る。空間構成技法は、用途および活動に適した機能空間をそれに合った土地に構成することを目標とし、サイトプランニングと深く関係し、それには、空間分割や空間結合の手法、空間スケールの設定が重要で、特にヒューマンスケールの視点が大事。景観構成技法は、安定して秩序のある美しい視覚環境を構成することを目標とし、全体と部分による美的構成、形式美の法則、空間知覚、多様の統一等の原理が、その手がかりとされる。HV.ハッバードの、An introduction to thestudy of landscape design(1924)は造園デザインに関する古典。 |