意味 |
樹木の一部で ある幹・枝・葉・根を目的をもって切り取ること。果樹・林木・造園樹木等で目的が多少異なるが、いずれも剪定後の樹木の生育を考慮した技法。造園における剪定目的は、(1)造形整枝し樹種固有の樹形、人工樹形美を高める、(2)移植樹の生理バランス、着花結実の促進などの生理的調整をはかる、(3)上(うわ)木の枝ぬき、枝透かしをし、庭園の植栽景観を維持する、(4)徒長枝の整理、若返りを図るなど生長の助勢、助長および抑制を行う、(5)樹冠内への日照通風を増す、倒状枝折れを防ぐなどの保護・防除を行う、などである。剪定はこれらの目的を単独で実施する場合や、いくつかの目的を複合して実施することがある。その方法には、(1)幹や太枝を主に剪定する、ずん胴切り、(2)枝葉を主に剪定する、枝透かし刈込み、切戻し、葉透かし、葉もみがあり、さらに枝透かしの方法には剪定の量に変化をもたせた大透かし、中透かし、小透かし、野透かしなど(3)新梢や花芽・葉芽を主に剪定する摘心・摘蕾などがある。剪定に当たっては、その樹木の生長過程、枝葉の伸長肥大、密度の程度を見きわめ、剪定の方法や分量を決定し実施するが、安全かつ効果的に行うには、剪定時期を考慮することが特に必要となる。剪定の適期は、針葉樹の10月〜3月までの真冬を除く時期、常緑広葉樹では早春の萌芽前と5月〜6月、9月〜10月の年3期、落葉樹は、7月〜8月、11月?3月の落葉期とされている。花木類・果樹類においては、花芽分化期を十分考慮し剪定時期を決定することが要件となる。剪定される枝は、樹木の生育生理や美観、危険防止などを考慮し、総合的に定められるものであるが、からみ枝、徒長枝、立ち枝、さかさ枝、ふところ枝、きり枝、幹吹き枝、ヒコバエ(ヤゴ)などの枝が剪定枝として挙げられている。これらは、通常剪定すべき枝として取り扱われるが、樹種や樹形、目的により剪定枝であっても残すことがあり、剪定する際は枝くばりを見定めて決定する。 |