造園用語集

人工地盤緑化


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人工地盤緑化

項目 人工地盤緑化 / じんこうじばんりょっか
英語 -
意味 建築物の屋上をはじめとして、室内・駐車場・ 汚水処理場の上などに人工的に植栽地盤を造成して行う緑化。通常、建築物等の都市構造物の屋上であると、荷重制限があるためにその範囲内で、いかに植物の生育に量・質ともに十分な地盤を造成するかが緑化の決め手となる。すなわち緑化にあたっては、軽量で、しかも理化学性にも優れ、植物の根圏・有効水分保持上からも十分な土層厚を確保することが要件となる。また、人工地盤上の緑化においては、余剰水の速やかな排水処理ということも根腐れ防止上から極めて重要なことで、通常1. 5?2%の排水勾配をとり、さらに10?30cm厚の排水層を設けている。排水層の上に土壌を盛り、緑化するわけであるが、土層厚の一般的目安として、芝生・地被で15?30cm、灌(低)木で30?45cm、中木で60cm、高木で90cm以上が必要であるといわれる。なお、地盤全体の軽量化を図るために、排水層・土壌層の資材として、極力軽量なものを使用する。排水層としては榛名軽石、メサライト、ビーナスライトなどの軽量骨材が使用される割合が高い。西ドイツでは、発泡スチロールをコールタールで、板状に固めたものと尿素を発泡させ板状にしたものとの組合せによる、軽量でしかも取扱い容易な人工地盤緑化専用の特殊な排水資材が開発、多用されており、わが国でも一部使用されている。土壌層としては、畑土にパーライト、バーク堆肥あるいはピートモスをそれぞれ等量混合したものがよく使われる。また、建築物の屋上等においては強風をこうむる場合が多いので、風除支柱に万全を期すことが重要である。しかも土壌層が薄く膨軟過ぎるため、支柱の固定が十分でなく、通常の支柱とは異なる特殊な工夫も必要になってくる。さらに土層が限定されるため、夏季の乾燥時には灌水作業が必要となり、あらかじめ灌水施設の設置が望ましい。灌水施設の設置が困難な場合には、乾燥に耐える植物を使用するなどの対応をとることも必要になる。欧米においては、乾燥に強い多肉植物等が人工地盤の緑化に多用されている。人工地盤上において緑化用植物の経年的な健全生育を望むのであれば、天然の養分供給も期待できず、むしろ養分の流失が大きいと考えられる状況にあるので、年に1?2回の追肥作業も必要になる。なお、近年、建築物の屋上を緑化することによってもたらされる夏季における階下の室内への熱の焼けこみ、照り返しを防止するなどの環境効果も注目されている。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ