意味 |
植生の種組成、構造、区分などを明らかにすることを目的として行う調査。近年、造園の広範な分野、具体的には環境アセスメント、自然立地的土地利用計画、自然保護計画、緑地計画、公園計画、緑化計画、植栽計画、植生管理計画等の基礎調査として活用されている。「群落調査」ともいう。通常、植生調査は、調査対象地域から調査区を選定し調査する標本抽出法により、植物社会学的な群落測度を用いて行われる。調査の目的、対象とする植生によって調査内容、方法が異なるが、代表的な植生調査法としては「コドラート法」がある。「方形区法」、「枠法」ともいう。植生調査の基本とされており、正方形の枠を設け、その面積内を調査する方法で、ほとんどの群落測度を用いることができる。コドラートの大きさは調査の目的、対象とする植生によって変化するが、一般に森林群落では群落の優占種の高さの1?2倍を正方形の一辺の長さとする。また草本群落では1m×1mを標準とすることが多い。造園の分野の調査では、木本主体の群落で10m×10mの枠を用いることが多い。またコドラートを帯状に連結した帯状トランセクト法は道路際から立地条件の漸変に伴う植生の変化などを調査するのに好適である。その他の植生調査法には「接線法」、「ポイント法」、「間隔法」などがあるが、実際の調査ではあまり活用されていない状況である。調査結果は、各調査区の樹冠投影図、群落断面図、調査対象地域内の組成表、貴重植物・有用植物の目録、出現植物の目録などにまとめられる。これらの付属資料とともに、最終的な成果としては調査対象地域全体の植生図を作成する。 |