造園用語集

浄土式庭園


造園用語集

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浄土式庭園

項目 浄土式庭園 / じょうどしきていえん
英語 -
意味 極楽浄土の世界を絵画的に視覚化したのが浄土曼荼羅図(じょうどまんだらず)であり、これをさらに現実の建築・庭園として構成した庭園の様式。平安中期以いわゆる末法(まっぽう)思想の影響で貴族らの間に仏いじり・庭いじりが盛んとなるが、その中心とな ったのが浄土教の教えであった。阿弥陀如来を心に念じることで、来世は極楽浄土に往生できるとした。貴族たちは末法の世を逃れたい一心で持仏堂・阿弥陀を建立し、あ たかも浄土の中にいるように浄土曼荼羅を地上に再現しようとした。1053年落成の宇治の平等院鳳凰堂とその前の阿字池を中心とした庭園は、その典型例である。江戸期の作庭書「築山庭造伝」に「水は西方浄土九品の曼荼羅を表わす」と書かれているのはこのこと。庭園の意匠やディテールは、寝殿造庭園のものと同じで、単純な形の大池に阿弥陀堂が影を映し、池中には中島が配され、蓮の花が咲く。後の禅宗様の庭園とは違って、全体として大らかでおだやかな地割と、明るく華やかなイメージとなっている。西芳寺庭園もその前身は浄土の庭であったように、かなりの鎌倉・室町期庭園が浄土式の系譜をひき、その上に成り立つものも多い。後、江戸期に盛んとなる、蓬莱(ほうらい)庭園と呼ばれたり、鶴亀の庭と呼ばれる一連の日本庭園の精神的原型をなすともいえる。今はないが、道長の法成寺、白河天皇の法勝寺などが代表的。東北の毛越寺(もうつじ) 、観自在王院、無量光院、白水阿弥陀堂や鎌倉の永福寺、伊豆の願成就院、金沢(横浜市)の称名寺など地方にも普及した。→へいあんじだいのていえん。
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