項目 | 蒸散作用 / じょうさんさよう |
英語 | transpiration |
意味 | 植物体内に吸収された水分が生育のために活用された後、葉あるいは茎から水蒸気 として外界に排出されること。蒸散作用は主に葉の裏側にある孔辺細胞によって構成される気孔からの気孔蒸散と、葉の表側のクチクラ層から排出されるクチクラ蒸散とに大別される。孔辺細胞には葉緑素が含まれ、太陽光が当たると体内の浸透圧が高まり気孔が開き水蒸気が放出される。一方、クチクラ蒸散は気孔蒸散の10分の1程度の水蒸気が常に放出されている。蒸散作用は植物体内の水分バランスを保つため、体内温度の調節機能も果たしている。蒸散量は温度・湿度・風などの気象条件ならびに植物の生理現象、生育状態と強くかかわる。一般的に蒸散量の測定は放出した水蒸気量を植物体の重量変化で把握する方法や、長時間における蒸散量と水分吸収量がほぼ一致する性質を利用し、根群からの水分吸収量を蒸散量として計測する方法などがある。近年、携帯用の計測器が開発され、野外において着葉状態のまま蒸散量の測定が可能となった。 |