項目 | 写実主義 / しゃじつしゅぎ |
英語 | realism,realisme 〔仏〕,Realismus 〔独〕 |
意味 | 芸術表現上、客観的現象をそのまま描出しようとする態度。美術界における歴史的流派としては、19世紀の半ばにフランスを中心として全ヨーロッパに広まった。「あるがままのものをあるがままにとらえることが芸術だ」と主張した画家クールベー(G.Courbet、1819?77) をはじめ、農民描写で知られるミレー(J.F Millet、1814?75)らが有名。しかし、現実を描写する態度はこれ以前にも認められ、通常理想主義と対応した現実主義ともいえる立場のすべてがあてはまる。この現実が一般に自然と解されると、自然主義 (naturalism)という態度となる。造園表現に用いられることはないが、自然式庭園ともいわれるイギリス風景式庭園内にはこの傾向があろう。また写実主義・自然主義を、題材上のそれと手法上のそれとに分けて考えることもあるが、日本庭園のほとんどは、どちらかの考え方によるこの主義の立場によって造られているともいえよう。 |