意味 |
造園計画上は、景観の分析や景観の演出。操作の論理概念を示す用語。すなわち、景観計画を造園計画の一貫として行う場合、一場面、ー画面、一情景のショッ卜としてではなく、それらが連続して次々と展開する動景観の系列的秩序関係を表現する言葉。動景観の操作と演出が主たる計画テーマとなる観光道路の計画や公園の園路計画等でシークエンス景観の分析や構成はしばしば試みられている。一連の試みの発案者は、リンチ(K.Lynch)の弟子のシール(P.Thiel)で、彼は次々と引き続いて知覚される体験をシークエンスとした上で、ノーテーションと呼ばれる記号法を用いて、シークエンス景観の構成法を提案している。シークエンス景観を規定する要素は「明-暗」、「開放-閉鎖」といった異なる特性をもつ景観の組合せによって生まれる変化のパターンやリズムであって、ドラマや音楽と同じようにそれを体験する過程において様々な心理的効果が得られる。シークエンス景観の設計は普通、視点移動ルートの設計、つまり道路や歩道のロケーションの問題になるが、気象のように自然現象による対象の変化もある。元来の言葉の意味は連続とか筋道の意で、映画用語としては続きの画面、音楽用語としては反復進行の意味を持つ。 |