意味 |
"クラブハウス、駐車場その他の付属施設を含む、ゴルフをプレーする運動施設。ゴルフの発祥についてはイギリスであるかオランダであるか諸説があって不明。ゴルフクラブは、1754年イギリスのセントアンドリュースに設立されたのが最初で、日本では1901(明治34)年に神戸の六甲山に設立されている。わが国のごルフ場は、第二次世界大戦前にわずか70 か所であったのが、1978(昭和53)年には1,300か所に達している。それらは、ほとんど会社が経営する会員制のコースであるが、イギリスやアメリカでは地方公共団体の経営するパブリ ックコースも多い。ゴルフコースの位置は、中心都市からの交通の便が良く、敷地の形態は長方形に近いものがよい。適当な起伏があり、大木・樹林・池・水流など多様な自然要素を含み、海・山・田園などを眺望できる風景地であれば理想的。急傾斜地はホールの設計に無理を生じ、広大な面積を必要とするのみならず、各種の災害対策を講じなければならない。敷地内での標高差はできれば50m以内がよい。ゴルフコースは管理上かなりの水を必要とするので、利用可能な水道・地下水・水流などについて調査をする。ゴルフコ ースの構成は9ホールを基準とし、アウトホールズ、インホールズに各9、計18ホールズが一般で、27ホールズ、時に36ホールズのものもある。各ホールの距離は、ティーグラウンドの中心からグリーンの中心までを水平に計測する。パー72のゴルフコースでは、アウ トとインとにそれそ?れミドルホール5、ショートホール2、ロングホール2を配し、各ホールの距離の総延長は6,200m内外となる。ゴルフ場の施設としてはホールのほか、クラブハウス、駐車場、練習場、売店兼休憩所、スタート小屋、詰所、車庫、職員宿舎、機械倉庫、目土・肥料小屋、圃(ほ)場、植栽その他修景施設などが必要。ゴルフコースの所要面積は、平たんもしくは緩やかな地形であれば、18ホールズで約60ha。最近のような山岳コースであれば90?120haを必要とする。各ホールの配置には、面積、地形その他の条件により、8の字型、星型、平行型、時計回り、逆時計回りなどがある。ホールの方向は、低い日射による眩惑を避けるため東西にとらないようにし、一つのホールのグリーンと次のホールのティーグラウンドとは遠く離さない。1番ホールと10番ホールとは、プレーを容易にするような設計とし、各ホールのティ ーグラウンドからグリーンが見えることが望ましいが、時にはブライント?ホールも興味がある。ホールの設定は等高線に沿うようにするが、ショートホールは等高線に直角とすることがあり、各ホールごとにフ?レー上異なる興味をもたせ、景観に変化を与える。ティー グラウンドには、レギュラー、バック、レディスの3種があり、レギュラーティーグラウンドは最も広くとり、面積約400m2、形は長方形とする。フェアウェーはその外縁を滑らかな曲線の大模様とし、幅員は40?60mとり、勾配は地形とプレー上の要求により決定する。グリーンの数は日本では二つ設けるコースが多く、面積は500?700m2、傾斜は2?5%とし、打球方向にやや受ける形とする。バンカーには,フェアウェーの途中に設けるものと、グリーン周辺に設けるものとがあり、その数は18ホールズで82個程度。バンカーはミスショットに対する罰、障害物、ホール外への打球の転落防止、ホールの修景、距離感と方向感把握の助成などの役割をもつ。その面積は150m2程度で川砂を入れる。ラフはフェウェーに接し、芝や雑草の草丈を伸ばして造成する。ゴルフコースは芝生が生命であり、気候、土質、コース構成、プレーなどに適合した種類で、激しい使用や病虫害に強いものでなければならず、その管理にあたるグリーンキーパーの職務は重要である。芝のほか、コース設計、既存樹林の活用、機能的植栽、のり面保護、修景などは造園家の活躍すべき分野である。ゴルフコースの計画、設計のいかんによっては、大雨による土砂流出やのり面崩壊などを生ずる例もあったため、また、自然保護の面からも最近は法的な規制が行われるようになっている。「都市計画法」では特定工作物のーつとされ、開発行為の許可ならびに同基準の条文があり、また、都道府県では敷地内に残すべき緑地、総土工量、排水その他についての規定を定めている。 | "