意味 |
戸外において住民の休養・保健・慰楽・休息・運動・遊戯・観賞・教育などのレクリエーションの用に供するとともに、公災害の防止、大気浄化、震火災の際の避難のために、官公庁が設置し管理運営する施設。その種類は豊富で、大は国立公園から小は児童公園まである。通常、この土地は原則としてほとんど建築物のないオープンスペースであり、欧米諸都市の「パークリは、主として、自然の状態を保全し、あるいはそれを再現した消極的レクリエーション利用を目的とし、一部に運動場や遊び場を設けるという考え方である。わが国において「公園」の字句は、島根県津和野町の鷲原八幡神社の奉額に、「天保三年壬辰 十月二十二日公園の射場に於ける金銀的射次」とあるのが最初であるという。幕末から明治初年にかけ、多くの海外帰朝者か?いたが、パークに公園の字をあてていない。例えば、久米邦武編の「米欧回覧実記」を見ると、ロンドンのハイドパークを公苑とし、「府中最美の遊楽園」としている。1873(明治6)年1月15日の太政官布達第16号に、初めて法的に公園の字句を用いた。すなわち、「三府ヲ始人民轄湊ノ地ニシテ・・・・・・・・古来ノ勝区名人ノ旧跡等是迄群集遊観ノ場所. . . . . . . . 従前高外除地ニ属セル分ハ永ク万人倍楽ノ地トシ公園ト可被相定ニイ寸.........」とある。1888(明治21)年の東京市区改正委員会案では、遊園の字句を再び太政官布達の公園に戻している。1919(大正8)年の「都市計画法」では、都市計画の施設として公園が取り上げられたが、法律の名称に公園の字句があてられるのは、1931(昭和6)年の「国立公園法」において、さらに遅れて1956(昭和31)年の「都市公園法」においてである。近来、レクリエーション内容の多様化、都市化の進展とともに公園の種類も増加してきている。「国立公園法」が 「自然公園法」に衣更えして、公園の種類は、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園となり、最近は海中公園も加わった。これらは傑出した自然風景を保全しながら、ひろく国民の利用に供しようとする主として地域制公園である。旧皇室財産を公園として公開したものに「国民公園」があり、新宿御苑・皇居外苑・京都御苑がそれて?ある。旧「都市計画法」に基づいての内務省の「公園計画標準」では、大公園に普通公園・運動公園・自然公園があり、小公園に近隣公園・少年公園・幼年公園・幼児公園があった。戦後の戦災復興計画における戦災復興院の「緑地計画標準」でも、ほぼ内務省案の種類を引き継いでいる。「都市公園法」ではその条文で、児童公園・近隣公園その他の公園の定義と基準を明確化した。1972(昭和47)年の「都市公園等整備五箇年計画」あるいは1977(昭和52)年から策定されている各都市の「緑のマスタープラン」においても、各種の公園が計画されているが、1979(昭和54)年4月から施行された「都市計画法施行規則」の一部改正では、公園の種別を児童・近隣・地区・総合・運動・特殊・広域の各公園と定められた。以上は、法的に定められた公園の種類であるが、このほか行政上、カルチュアパーク、カントリーパークがあり、一般的には中央公園、河川公園、臨海公園、大通公園、道路公園、工場公園、ベストポケッ トパークなど、公園の機能の複雑多岐にわたることが名称にあらわれている。先に国立公園・国定公園・都道府県立公園を地域制の公園としたが、その他の都市公園・国民公園などは営造物公園である。地域制の公園は、行政主体が風景地の保護または利用のため、一定の地域を指定し、その地域内において、風致もしくは景観の維持または公園利用者の利用の妨げとなるような一定の行為を禁止または制限しようとするものである。営造物の公園は、行政主体である国または地方公共団体が、その土地物件に対する所有権、地上権、賃借権などの権原に基づいて、直接その用に供するものをいう。→オープンスペース |