意味 |
2点間の水平距離を定める測量。いかなる測量においても、この距離測定を省いては成り立たない。測量の目的・内容に応じた許容精度によって、一定長の測距尺である巻尺類を取捨選定し、これを任意長の測点間に引張して斜距離を直接測る。測量方法は平易だが、真値を得ようとするとき実測値に占める不定誤差の比重が大きく、測量の中で一番の熟達を要する。したがって一区間の測定に対しn回の実測を繰り返し、それらのデータを誤差論によって統計処理し、最確値を推定する。測点間にはふつう高低差があるから、実測値は斜距離に相当するゆえ、さらに水平距離に換算されたあと面積計算などに用いられる。このような直接法で遠距離を高い精度で測定することは、大変な労力・時間・経費を伴う。そこで全国を網羅する三角点測量の場合は、メートル原器と比較検定されたインバール製の測距尺を使用して1辺の基線長のみ実測し、あとは内角の測定によって他の2辺の距離を計算上から間接的に求める三角測量の方式によっていた。しかし近年では、光波やレーザ一光を利用した測距儀か?実用化され、数十kmの長大な距離測量が一挙にcm単位の精度で可能となったので、三角形の各辺に対する距離測量を行って形・大きさ・位置を定める三辺測量へと、測量方式が大きく変貌しつつある。 |