意味 |
給水源から浄水を需要箇所へ供給するための設備を設計し施工すること。生活用水ばかりでなく、景観用水も含めた給水源としては、一般の上水のほか井戸水・湧水・工業用水・汚水処理水がある。(1)給水装置:「水道法」第3条第8項によると、「水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管、及びこれに直結する給水用具」を給水装置としている。給水用具は、分水栓・制水弁・止水栓・量水器・給水栓などをいう。給水栓は給水管の端末に取り付けられ、需要者が直接開閉して放水・止水を行う器具である。造園設計において、給水源と飲用水栓・散水栓・池泉・プール、あるいは園内便所・建物等の間が、前記の給水装置・受水槽・揚水ポンプ・高置タンクを経て園内配管で系統化されるとき、その流路全体の総称が給水設備となる。(2)給水方式:需要地への給水方式は、直結式とタンク式に大別できる。直結式給水は、水道施設である配水管の水圧をそのまま利用し、給水装置によって末端の水栓まで給水する方式である。タンク給水は、水量・水圧が直結方式では不十分な場合に、原水を低位置に設けられた受水槽にいったん貯留後、さらにこの水を高置タンクに揚水し、以降はその高さの水圧により導水する方式である。園内各地へは、これより竪管を立ち下げてから地中の横走り管を経て給水される。この方式は配水管の水圧と縁が切れた構造になっていることから、受水槽以下の給水設備を導水設備として区別する考え方もある。高所に高置タンクの設置が困難な場合は、容積の小さな円筒形の圧力タンクを用いる。この方式は耐圧鋼板製の密閉タンクに、ポンプで水を圧入することにより生じる圧縮空気圧を利用して給水するため、配管内の水圧は1.5?4kg/cm2と変化する。噴水装置を直結する場合に、この圧力タンク方式は不適当である。(3)均等表:給水管径の決定法として、均等表による法と摩擦損失水頭線図による法があり、公園内の給水設備程度の場合には、均等表を使用した簡便法による例が多い。均等表とは、給水管内の水流に対する抵抗、すなわち摩擦損失は一律であるとみなし、大口径の給水本管1本の負担しうる枝管の本数を一覧に示したものである。その利用法は、(a)用途別使用水量に対応する水栓の大きさから、まず接続管径を各端末ごとに定める。(b)鋼管の均等表を用いて、管径の中で最小のそれを1とした縦欄の各菅径に対する系数値を求める。(c)給水系統の最遠端から区間ごとに順次(b)でもとめた数値を累計する。次いで設置される給水器具の個数に応じた同時使用率を知り、これと累計値を乗じる。この積が同時開口数である。(d)再び鋼管の均等表を利用し、前記の最小菅径の縦欄の中で(c)の同時開口数をもとに表の左端を読んだ菅径が枝菅を合わせた本菅の菅径となる。(4)工事:給水装置の工事は、「水道法」の適用を受け、止水栓までは水道事業者の行う局施工、それ以降は指定水道工事店が設計・施工する。よって給水設備の新設・補修・撤去等に関しては、事業者の指定する前記工事店が手続・施工にあたることになる。水道直結系統に使用する菅・器具類は型式承認のもので、かつ水道事業者の指定する圧力試験に合格したものでなければならない。配管工事の一部、または全部が完了したときは、係員が立会いの水圧試験を仕様書や基準書に基づいて行い、漏水の有無を点検する。 |