意味 |
建築・工芸・造園その他のデザインの分野において、その形態の決定にあたり、最も機能を重視しようとする主義。アメリカの建築家サリヴァン(L.H.Sullivan、1856?1924)が、1890年代に「形態は機能に従う」と主張し、機能を追求すれば自ら形態は決定するとした。ドイツの建築家グロピウス(W.Gropius、1883?1969)が、1919 年にワイマールに設立したバウハウスの主張の一つもこれであり、有用性の追求は美につながるともいわれている。しかし、アメリカの建築家ライト(F.L.Wright、1867?1959)らのように、この主義に強く反対する人たちもいたか?、デザインにおける過剰な装飾や、過去の様式の模倣を打破したという効果は著しかった。1937年のパリにおける第1回国際造園家会議において、スウェーデンの代表が、「これからの庭園は花のためよりも、人間のため、また児童のために、自由で変化のあることが必要で、様式、軸線、シンメトリーおよび装飾は消滅させなければならない。風景や住宅周囲は、必要に従って計画し、いわゆる機能的庭園計画をすべきて?ある」と主張した。ドイツにおいてもこのころ、機能を重視した構成的庭園が流行した。しかし、このような機能第一主義は次第に反省と修正の方向に向かい、造園計画においても、機能的アプローチをとるのはもちろん、美や快適性もまた同時に充足しようとしている。 |