造園用語集

オープンスペース


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オープンスペース

項目 オープンスペース / オープンスペース
英語 open space, Freiflachen 〔独〕 espace libre 〔仏〕
意味 建築物のない一定の地域的広がりであって、その非建ぺい性、植生、水面などにより、環境の質の向上を図り、あるいは住民のレクリエーション需要にこたえるもの。イギリスでは、1920年の「オープンスペース法」第20条において、「オープンスペースとは、囲まれていると否とにかかわらず、その上に建築物がないか、またはその土地の1/20以上が建物で覆われていない土地であって、その全部または一部が庭園として設計されているか、またはレクリエーション目的に使用されるか、または自然のままであって占用されていない土地をいう」と定義している。また同じくイギリスの1962年の「都市および田園計画法」では、「オープンスペースとは、公園として設置された土地、または公共レクリエーションの目的に使われる土地、または使用廃止の墓地をいう」 とし、また、1966年におけるニュータウンのオープンスペース調査にあたっては、その種類を運動場、クラブスポーツグラウンド、公共レクリエーショングラウンド、公園、児童公園、森林、コモン、ゴルフ場、アロットメントガーデン、主要水面としている。アメリカのカリフォルニア州では、「オープンスペースとは、(1)自然風景美の著しい場所であること、(2)その地域の非建ぺい性、自然の状態または現状の土地利用が保持されるならば、その隣接または周辺の市街化発展の現在または将来に対して価値を増進するか、または自然資源および景観資源の保存を維持増大するようなスペースであること」などとしている。フランスでは、オープンスペースの種類を私有庭園、住宅団地園地、児童遊園、学校園、体育スポーツ施設、青年センター、都市公園、並木道、植樹地帯、大自然公園、田園的公共緑地、森林地とし、最近では道路や河川も含めるという意見もあるという。日本では、1921(大正10)年に池田宏が、オープンスペースを「自由空地」と訳し、「自由空地と称するは、市内における道路、河川、運河等公共の用に供する営造物の敷地以外の空地にして、建築を以て蔽われることなき空地を指し、公園、広場、運動場、植物園、動物園等の施設の類はいうをまたず、法制の適用により建築物の周囲に存しむべき建築敷地内の空地をも含む」としている。かつての大阪市長関ーは1928(昭和3)年に、都市地域を建築地域と非建築地域とに分け、後者をさらに自由空地と交通地域とし、この自由空地の定義を、建物に付随せざる空地であって、大小の公園、競技場、運動場、墓地、農耕地、樹林地等のいわゆる緑色地帯である」とし、緑に重点をおいた。一般にオープンスペースの効果については、美の享受、季節感の感得、地下水涵養、遊水、土壌浸食制御、野生生物保護、温度湿度調節、大気浄化、騒音緩和、防風、通風、防雪、洪水調節、崖崩れ防止、防火、避難、運動・遊戯、娯楽・集会・休養・教育の場など、極めて多岐にわたる。アメリカのクローソン(M.Clawson)は、オープンスペースの効果について、建物に光と空気を与え、都市の景観に見通しをつけ、レクリエーション活動の空間となり、各種の保全機能を発揮し、将来他の用途に転用することもできるとした。1969(昭和44)年佐藤昌によれば、オープンスペースを大きく公共と民営の二つに分け、前者のうち、営造物公園、河川緑地、近郊緑地、広場、公共運動場、公共墓園を公共空地とし、海浜、河川、湖水を公開空地とし、また学校運動場、社寺境内、住宅団地内園地を準公共空地と分類し、民営オープンスペースとしては、個人庭園、遊園地、民営運動場を民営利用オープンスペースに、農地と山林とを生産オープンスペースと分類している。また、オープンスペースの機能に着目した分類では、これを利用と環境に二大別している。→りょくち
五十音順
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ら り る れ ろ
わ