意味 |
造園における土地利用計画・造成計画に基づく土地の造成。園地造成にあたって、造成区域の基礎調査・環境アセスメント等に基づいた計画が必要であり、実施にあたっては土木設計が必要となる。土工は切・盛土、運搬、整地などの作業 内容であるが、あらゆる建設工事の中で最初に行われる重要な作業である。造園は他の土木・建築等の工事と異なるものがあり、自然材料を用いることが多く、特に植物材料を用いるので地形・地質などによって異なる施工方法、また季節などの自然現象の条件を把握した綿密な計画と設計が要求される。土工設計は実施設計平面図、現場での測量・調査を基にした造成平面図、縦断面図・横断面図による切・盛土断面設計と、現場の土質の分析から土の変化率の決定、土量の計算などの内容である。造成計画が現場の地形上におとされ、施設の配置を定めるため地割が行われるが、現場測量では、まず座標がくまれることが多い。地形の判読ができるよう造成平面図にはさらに詳細な高低測量の結果が記入される。現地盤高が記入され、平面図上で切・盛土高を見当づけるために、計画高は縦・横断勾配が計算されて図面がかかれたあとで記入される。土質は土工の計画・設計・施工にあたり重要であり、土質調査は必要である。盛土工における盛土材料は盛土を構成する主要材料であって、その性質は施工の難易、完成後の圧縮沈下、のり面の安定、支持力などに影響を与え、特に植栽、また植生の復元に関係が深いのでなるべく良質な材料の選定が必要である。一般に盛土材料として好ましいのは、施工が容易で、せん断強度が大で圧縮性が小さいなどの性質をもった土である。一般に使用してはならないものとして、ベントナイト・温泉余土・酸性白土・有機土などの吸水性・圧縮性の大きい土とか、凍土や氷雪、草木、切株その他多量の有機物を含んだ土などである。切・盛土により斜面を造成する場合のり面勾配は、現地の地盤の状況を十分考慮して理論的標準値と合わせ、のり面勾配を決定するようにし、既往ののり面の状況など工事例を参考として総合的判断によって決定すべきである。地層の傾き、日照、乾湿、土の緊密度、霜柱などを考慮するとともに、のり面の風化・流失・崩落等の防止、自然の地形との調和のための景観効果などの目的でのり面の保護が必要となる。のり面の保護には植生による保護と人工材料による保護が行われる。のり面の崩壊の原因の多くは、のり面の排水不良であるので、地形に応じ適当な排水路を設けるなどの注意が必要である。切土または掘削によって得られる土が盛土材料として適したものであればこれを流用する。不適の場合はこれを捨土とするか、切土などの盛土に流用するか、どの切土を捨て、どの盛土を土取り場から運搬使用するかを決定することを土量の配分という。土量の配分によって、計画土量と運搬距離が把握できる。土量の配分には土積図を作って利用するのが便利であり、園路工事のように切・盛土が連続的に発生する場合、それに必要な土と機械の運用を合理的に計画することができる。土量の配分によってその作業での過不足がつかめるが、盛土材料が不足する場合には、一般にほかに土取り場を求めて補給する。土取り場の選定にあたっては、地形・土質・運搬距離・運搬経路など最も経済的で有利な土取り場を選ぶことが必要である。近年造園工事も施工規模の増大とともに施工の合理化が必要となり、その手段のーつとして機械施工がとり上げられるようになり、園地造成には大型機による土工事が行われる。施工機械の選定にあたっては、土質試験を行ってトラフィカビリティを判定し適用機械を決めるが、造園工事では植栽地のように締め固めてはいけない場合もあり、機械の選定には理論だけでなく現場での使用経験に基づいて機械の性能を理解して有効に活用することが重要である。 |