造園用語集

庭園形式


造園用語集

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庭園形式

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項目 庭園形式 / ていえんけいしき
英語garden type, garden style
意味 個別の庭園の意匠を概観することで得られる形(form)と、複数を対比することで得られる型 (pattern)とを、普遍的に共通して認められる構成上の原理として概観して、その分類を示したもの。庭園形式(garden type)と呼ぶことのできる、対比的な体系的な分類が可能となるこの段階までは、意匠上の観念として論理的に導くこともできる。しかし、庭園様式(garden style)と呼ぶ段階は、現実に、ある特定の時代や、特定の国や地方、特定の作家によってつくられた作品に共通する特徴が抽出できた場合にのみ有効なために、主として史的解釈において適用されることになる。従来、庭園史ではこれを混同して、形式分類と様式分類を混乱して使用していた。ここでは、造園意匠の可能性を前提にした庭園形式の体系を示す。庭園様式は過去の歴史的作品への解説として、各国各時代名を冠した別掲項目を参照すること(例えば、フランス式庭園など)。庭園の意匠や構成をまとめる場合の視点で、以下の分類が考えられる。(1)庭園と建物の位置関係から中庭型・内庭型(スペイン式、イスラム式など)、外庭型(日本式など)。(2)空間構成の幾何学的視点の相違から、整形式(formal、geometrical)、非整形式(informal)。(3)造形意志の表出法の相違から、人工式(artificial)・建築式(architectural)、自然式(natural)・風景式(landscape)。(4)視点の移動の可否から、定視式(contemplation)、周遊式(stroll)・回遊式(circuit)。(5)敷地利用や土地造形の観点から、平庭式、築山式、池泉式、沈床式(sunken)、露壇式・テラス式(terrace)。(6)空間のまとめ方の手法から、中心園、端心園、象徴式、縮景式、借景式。(7)空間の利用の面から、観賞園、実用園、舟遊式(pleasure boat)、茶庭式(tea)。このほかに、外部環境としての土地・自然に注目するか、空間構成の仕方に注目するか、そこで活用される水・石・土・彫刻、文化財などの造園素材に注目するか等、いろいろの視点から形式のバリエーションは生まれる可能性はある。すでに歴史的に実現されてきた作品を分類すると以上の形式が活用されてきたということである。今後の新しい要請に対しては以上の組合せで対処することが考えられる。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ