造園用語集

公園設計


造園用語集

こ

公園設計

項目 公園設計 / こうえんせっけい
英語 -
意味 ある一つの公園の基本構想、基本計画、基本設計および実施設計、基本構想には、その公園の目的、必要性、整備の背景、望ましい性格、公園分類上の位置、市の姿勢などの重要な概念が含まれる。基本計画においては、都市計画その他の諸計画との調整や関係、敷地ならびに敷地周辺の自然的、社会的、景観的要素の調査と分析、これに基づく設計条件、構想を具体化した概念図によって、用途別に敷地の地割をする。地割にあたり、機能、美、動線、造成との関係、主要施設の特色、植栽の方針、既存の植物・動物・地物などに配慮し、費用の概算も行う。基本設計では、基本計画に基づく造成計画、施設配置計画、詳細計画、植栽計画、費用算出その他を行う。実施設計には、敷地造成設計、施設詳細設計、工程計画、植栽設計などを含む。設計図書としては、位置図・概念図・地割図・平面図・透視図・立面図・断面図・模型・説明書その他がある。公園設計にあたっては、諸データ、実例についての資料、市場の状況の調査が必要であり、また、利用者の安全性・快適性・利便性はもちろん、管理組織・管理計画との関係を十分に設計に取り入れることが重要である。なお、地域の施工業の状況やその技術的能力も工事の仕上がりに影響があるため、これも設計要因の一つである。公園の設計は、個人庭園のそれと異なり、不特定多数の利用者の意向を推量し、できる限りその満足を得られるようにしなければならない困難さはあるが、その公園の利用者の数、種類、性格はある程度予測することが可能であり、また世論調査や住民との対話が大いに参考となるであろう。一方、設計を担当する造園家の個性・経験・能力が公園設計の優劣を左右し、公園が都市もしくは地域のいきいきとした拠点になるかどうかも、その双肩にかかっていて、どの公園も非個性的にならないようにしなければならない。さらに、公園の設計は美と機能との均衡の上にたっている。利用者に安定感を与える秩序と、刺激を感じさせるような変化が必要であって、これらを知覚させる線・形・色彩・テクスチャーの研究とその実際への応用は欠かせない。また、公園敷地周囲の囲いのみならず、施設や部分における囲いの構造によって、様々な空間が設けられ、土壌、舗装、芝生その他のグランドカバーによる各種のフロア、樹木、工作物による頭上の覆いも、利用者に与える心理的影響は大きく、設計操作上の問題点であり、部分部分にあるいは公園全体に性格を与え、ひいては人々の経験にいろいろな影響を及ぼす。公園は人々か?市街地の騒音、大気汚染、巨大なスケールからの逃避の場所でもあるから、人間的スケール(ヒューマンスケール)を実現すべきであろう。機能からの設計上の配慮としては、各施設の配置にあたり、関係の深いものを隣接もしくは近接させ、相互に異なる機能の施設が干渉したり、一つの施設の動線によって、他の施設が切断されないようにし、外部から敷地へ、また施設へのアプローチの便も考慮する。各施設はそれぞれの標準に適合した規模と数量を備え、かつ最低の費用で需要を満たす必要があり、既存の植物・水・石などの活用や地形の尊重などはその目的に利することが多い。このためにも当初の敷地分析は重要であり、植物材料その他の資材も地元産のものを利用することは、経費の節約のみならず、公園と環境との調和に役立つ。植栽は公園における最も重要な施設で、殊に市街地内にあっては地域の緑の拠点であり、大木や樹林を育成する貴重な場所でもある。その心理的効果はもちろん物理的効果にも配慮して、既往の研究成果を設計に反映しなければならない。公園の設計の法制上の規制、標準については、「都市公園法」、「都市計画法」その他に見られ、また、建設省都市局では、1978(昭和53)年1月以降、各都道府県あてに、都市公園技術標準案として、運動施設・遊戯施設・管理施設・休養施設・運動施設・敷地造成・ 園路広場・修景施設・便益施設の順に逐次通達を出しており、設計上重要な資料である。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ