造園用語集

公園管理


造園用語集

こ

公園管理

""
項目 公園管理 / こうえんかんり
英語 -
意味公園の機能 を維持増進してその目的を十分に達成せしめ、有効な利用を図るための管理事務および技術のすべて。公園管理は、建築物・道路その他の工作物と異なり、生きた植物を扱い、多様な不特定多数の利用者を対象とし、複雑で面倒な内容と性格をもっているため、公園に対する深い認識と特殊な技術が管理者側に要求される。公園管理は、「都市公園法」、「地方自治法」その他多くの法的根拠のもとに行われ、一定の組織によって、企画・事務・技術について練達な能力を有する者が職務を執行しなければならない。公園管理の質を規定する条件には、経営主体の種類、利用者の性格、経営方針、管理組織の体制、公園の社会的物的立地特性、施設それぞれの特性などがある。次に、管理の目標・目的・予算・組織・標準・日程について、日常的なものと、非日常的なものとに分けて計画する。維持管理と運営管理の2種に大別され、前者は物的な土地と施設の管理であって、これらを適正な状態に維持し、あるいは改良するための計画と実施をいい、後者は公園の経営にかかわるもので、公園の利用を適正ならしめ、かつその有効度を高めるために、種々のサービスの提供、財産としての土地・施設の管理、また、組織・予算・人事等について行うものをいう。公園の維持管理にあたっては、公園台帳の整備、現況と管理条件の把握、スケジュールの調整、各種データの蓄積によって計画を策定する。実施に際しては、管理主体の担当人数、特殊技術、能率,経費などの面から、直営か委託かを決定し、作業中は利用者の安全を配慮するとともに、できる限り利用の阻害にならないようにする。植物の管理については、公園の目的、施設の状況により、保護すべきか、さらに育成するか、あるいは抑制すべきかを決定する。樹木の剪定(せんてい)整姿、病虫害駆除、施肥、灌水、枯損木撤去、控木取替えなどは、年間作業実施スケジュールを作成して行う。その他、芝生・ササ類など地被植物も同様であり、花壇も公園においては特に目をひく施設であって、苗の年間供給方法、パターンの変化その他の慎重な計画と管理を要する。公園地内の雑草は美観を損ない、土壌中の養分と水分とを収奪するので、その除去を怠らないようにする。植物以外の工作物については、その環境、人為による損傷および耐用年限を考慮しながら、点検項目と年間作業実施スケジュールを作成する。公園地の清掃は、常時の掃除はもちろん、催し物、花見などの後片付け、適切なくず箱設置などに留意し、また利用者の協力も求めることとする。公園の運営管理は、維持管理に劣らず重要であって、公園に活力を与えるよう十分に管理者は配慮しなければならない。運営管理の基礎になるものは、都市公園条例の制定と公園台帳の整備である。日常の事務としては、財産調書の作成、公園の占用と使用に関すること、公園内における行為の制限、違反行為に対する監督処分などがある。公園利用の適正と有効性を高めるために、児童の遊びの指導、あるいはスポーツの指導を定期的に、もしく は随時行う必要がある。また、園芸相談、動物相談あるいは植物教室などによって、市民の知識の向上と公園に対する愛着を深めるようにする。さらに運営管理で重要なことは、各種の催し物の企画であって、管理者自らまたは関係団体の協力によって、四季にわたりなんらかの催し物あるいは行事を開催する。例えば、たこあげ大会、羽根つき大会、苗木市、菊花展、山草展、音楽会、地域運動会などの催し物によって、住民の公園に対する関心を高め、利用を増進させる。台風その他の災害については、常に情報収集、伝達体制、臨時組織など対策を準備し、施設の点検を励行し、災害が発生すれば直ちに応急処置を施し、また速やかに復旧を行う。公園利用者に事故がないよう、施設について十分な点検を行い、利用者には利用上の注意を与えるようにしなければならない。
五十音順
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ